Eさんは激務です。
月~土は朝から深夜まで働いて
休みは日曜日だけ。
その日曜すらたまにつぶれたり
していて本当に大変そう…
でもEさんは
弱音をぜんぜん吐きません。
「疲れた?」と聞いても「まぁ」
と曖昧に言うだけ。
基本的に感情を外に出すことが
めちゃくちゃ苦手だし、
格好悪いと思っている感じ。
そんなEさんを見て私は、
男らしいと感じる一方で
愚痴って欲しいと思ったりも
していました。
「好き」なんて付き合ってから
一度も言われてないし、自分から
会いたいとも言わないEさん。
私って必要?
という不安がずっとありました。
しかしある日、Eさんが深夜に
フラリと家に来ました。
いつも会った瞬間は笑顔を見せて
くれるけど、その日は真顔で
「…おす」とだけ言いました。
いつもと違う様子に
(あれ、なんか機嫌悪い…?)
と不安になる私。
とりあえずお茶を淹れようと
キッチンに立ちました。
すると
Eさんが後ろから
私の肩に頭をのせてきました。
びっくりして一瞬、固まる私。
でもEさんが頭をのせたまま
「ふぅ…」とゆっくり深呼吸を
していることに気づきました。
…あ…これ
甘えてる…?
そう思った私はEさんに
「仕事大変だった?」と聞きました。
すると背中から「…うん」と返事が。
Eさんはしばらく私にくっついて
お茶を飲むと帰っていきました。
滞在時間は30分ほど。
あぁ、疲れてるのに
ただ私に甘えるためだけに
会いに来てくれたんだ。
私はそれが心から嬉しくて、
その日からもう自分が必要かを
悩むのはやめることにしました。